名古屋レーザ・フォーラム2020
自動車産業におけるレーザ加工技術
共催:中部レーザ応用技術研究会
10:35〜11:25
基調講演 自動車製造におけるレーザ加工 〜 応用の歴史と将来展望〜
光産業創成大学院大学 副学長 教授 坪井 昭彦 氏
自動車産業における各種レーザ加工応用の歴史を振り返り、将来を展望する。
11:25〜12:05
TNGAエンジンへのレーザ加工技術の適用
トヨタ自動車(株) 素形材技術部 粉体技術室 主任 大石 悠佑 氏
トヨタ自動車は Toyota New Global Architecture (TNGA)エンジンシリーズを開発した。このエンジンは、低燃費と高出力の両立に必要な高速燃焼を実現するため、最適な吸気ポート設計をレーザクラッドバルブシートの採用により可能としている。本講演では、当エンジンの世界展開に必要な高い信頼性と生産性を両立させるレーザクラッド工法及びクラッド材料の開発について紹介する。
13:00〜13:35
日産自動車における車体へのレーザ適用
日産自動車(株) 生産技術研究開発センター 主担当 渡辺 由布 氏
日産自動車における車体へのレーザ加工適用事例を紹介する。レーザ加工は非接触加工であるため、部品精度のばらつき等に起因する隙間制御が課題となる。本報ではZnめっき鋼板へのリモートレーザ溶接、鋼板のレーザブレージング、樹脂部品のレーザ溶接等を紹介し、品質保証のための隙間制御や品質確認方法の取り組みについて報告する。
13:35〜14:10
レーザ照射による金属材料の表面改質
中日クラフト(株) 研究開発室 北川 義大 氏
中日クラフト社ではレーザの特徴である急速な加熱・冷却を用いた表面処理についていち早く着目し、活用することで金型や部材等に対する局所的な焼入れを行っている。本講演では、これまで局所的な焼入れが困難であった低炭素鋼に対し、浸炭剤を用いレーザ照射を行うことで可能となったレーザ浸炭焼入れ に関する報告を行う。また併せて、レーザを用いた表面処理に関する他の事例も紹介する。
14:10〜14:45
ファイバーレーザのビームテクノロジーと切断加工への効果
(株)アマダ 板金開発本部 ブランク加工技術部 副部長 宮渕 城之 氏
板金加工では、生産性、品質、安定性が求められる。お客様のご要望にお応えすべく、アマダはファイバーレーザのビーム制御技術ENSISテクノロジーと、LBCテクノロジーを開発した。本講演では、各テクノロジーによる加工への効果を紹介する。
15:00〜15:35
金属、樹脂、ガラスなどのレーザバリ取り技術の開発
(有)中島精工 代表取締役 中島 正春 氏
機械部品の加工後や鋳造後には部品にバリが発生し、それを機械切削や、工具で取り除く処理が要求されることがあるが、今年、最新レーザ技術研究センターと共同で、レーザバリ取りおよびコーナー成形のできる装置を開発した。本講演では、この技術をを用いて、実施した金属や樹脂のレーザバリ取りの方法および加工結果を紹介する。
15:35〜16:10
海外にみる自動車産業へのレーザ加工技術の応用
(株)最新レーザ技術研究センター 代表取締役 沓名 宗春 氏
OCTとは(Optical Coherence Tomography(光干渉断層撮影)の略で、光の干渉を用いて非接触・高分解能・高速に内部構造を画像化することが可能な技術である。近年、眼科の緑内障や加齢黄班変性などの診断に広く用いられている技術である。当社では、高速性・高分解能・高深度を可能にするSS-OCT用光源及びOCTシステムの開発を行いる。本講演で、その技術とレーザ加工のモニタリングへの応用について紹介する。
第67回プラズマが拓くものづくり研究会(PLAM)プラズマ技術講演会
次世代のものづくりを実現する硬化技術とプラズマ応用
共催:(公財)名古屋産業振興公社 プラズマが拓くものづくり研究会
10:30〜11:25
ダイヤモンドコーティング工具が支える新世代自動車、航空機複合材料の加工
オーエスジー(株) デザインセンター 開発グループ Aerospaceチーム チーフエンジニア 滝川 義寛 氏
最新の航空機の一次構造部材には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が多用されており、その用途は現在自動車へと広がりつつあります。この材料加工にはダイヤモンド工具はもはや欠かすことの出来ないものとなっています。本講演ではCFRP加工の難しさ、専用工具の要件、現状についてご紹介いたします。
11:25〜11:50
プラズマコーティング技術を用いた窒化ホウ素膜(cBN)の開発
(株)片桐エンジニアリング 名古屋事業所 所長 山川 晃司 氏
高密度プラズマ源である電子ビーム励起プラズマ(EBEP)を用いて、次世代ハードコーティング薄膜材料として期待されている立方晶窒化ホウ素(cBN)コーティングを開発いたしました。本膜は残留圧縮応力が大きく、膜の剥離が発生しやすい問題点があります。中間層や傾斜層を最適化することでこの問題点を解決し、さらに、成長中の基材温度制御を行うことで硬度、密着性の向上にも成功しました。本講演では装置概要、膜特性、工具応用などについてご紹介させて頂きます。
11:50〜12:15
アクティブスクリーンプラズマ窒化技術
中日本炉工業(株) 設計技術部 水流 一平 氏
プラズマ窒化処理は低温、短時間処理といった多くのメリットを有しているため、金型や自動車分野などで利用が広がっています。しかし、従来のプラズマ窒化法はエッジ効果やホローカソード効果などにより、窒化層が均一に形成されないという問題点がありました。当社では、これらの問題点を解決するためにアクティブスクリーンプラズマ(ASP)窒化技術を開発しました。このASP窒化技術は処理品に印可するバイアス電圧を制御することにより、鏡面性を維持したままの光輝窒化を実現できる技術です。本講演では、このASP窒化技術についてご紹介いたします。
接合技術を中心とした最新の軽量化技術
共催:(一社)軽金属学会
12:40〜12:50
軽金属学会の活動紹介
軽金属学会 東海支部長/名古屋工業大学 工学研究科 教授 渡邉 義見 氏
アルミニウム・マグネシウム・チタンなどの軽金属に関する学術・技術の進歩発展を図り、工業発展尽くす軽金属学会の活動を紹介する。学会は、難しくて敷居が高いと思われがちだが、誰でも参加できるセミナーや中小企業の支援など行っている。東海支部における活動事例や大学および公設試などの会員の保有技術について紹介する。
12:50〜13:35
高強度難燃性マグネシウム合金展伸材の開発動向
〜強度と延性のバランスを実現するための研究開発〜
産業技術総合研究所 構造材料研究部門 軽量金属設計グループ 研究グループ長 千野 靖正 氏
汎用マグネシウム合金(Mg-Al系合金等)にカルシウムを添加した合金(難燃性マグネシウム合金)は、汎用マグネシウム合金よりも著しく高い難燃特性を有するため、高い安全性が必要とされる鉄道車両構体等の輸送機器や建築部材等への適用が検討されつつある。本講演では、難燃性マグネシウム合金の代表的な特性を紹介するとともに、難燃性マグネシウム合金展伸材の強度と延性のバランスを改善するための研究開発について紹介を行う。
13:35〜14:20
冷間スポット鍛造による異種金属接合
中部大学 工学部教授(名古屋大学名誉教授) 石川 孝司 氏
冷間スポット鍛造による異種金属接合技術開発に関して、特に軽量化効果でニーズの高いアルミニウム合金板と高張力鋼板の固相接合を例としてその接合メカニズム、接合強度について紹介する。
14:20〜15:05
アルミ合金と超高張力鋼板の片側アクセス異種金属接合法
エレメントアークスポット溶接法(EASW)」
(株)神戸製鋼所 技術開発本部 自動車ソリューションセンター マルチマテリアル接合研究室 室長 鈴木 励一 氏
自動車分野における異種金属接合法としては、信頼性の高い機械的接合法が圧倒的に多く用いられているが、鋼板が超高張力化すると適用が困難になる。また、侵入性の点でC型クランプヘッドを用いない工法も望まれている。そこで、当社はアーク溶接法と機械的締結機構を組合せた新たな異種金属接合法EASWを開発した。その接合強度は国プロISMAでせん断・剥離共に高いことが証明されている。FANUC(株)と開発中のロボットシステムや電食対策なども含めて紹介する。
15:05〜15:50
ろう材不要の新ろう付技術”MONOBRAZE®"
炉中ろう付用アルミニウム材料の革新
(株)UACJ R&Dセンター 研究員 黒崎 友仁 氏
従来のアルミニウム炉中ろう付では,被接合部材の少なくとも一方にろう材を被覆したクラッド材を用いるか,第三の部材としてペーストろうやワイヤーろうのような置きろう材を設置する必要があった。そのため,生産性や形状自由度が制約されるという課題があった。そこで,ろう材を使用せずに単層の材料を用いてろう付が可能な新技術“MONOBRAZE®”を開発した。MONOBRAZEでは,従来のクラッド材を構成するろう材と心材の双方の機能を両立した新たなアルミニウム合金材料を用いる。本講演ではMONOBRAZEの基礎研究成果を紹介するとともに,微細構造体の接合へ適用した際の検討結果を報告する。
ロボットシンポジウム2020名古屋
ロボット・AIが未来の社会を拓く
共催:ロボットシンポジウム2020名古屋実行委員会
10:30〜12:00
基調講演
明るい未来のためのAIとロボットの活用法
札幌市立大学 学長 中島 秀之 氏
深層学習の発展により、AI技術が様々な分野で実用になってきている。AIは有用な道具であるからうまく活用したい。あくまで人間がその目的を達成する手段として、AIを活用するのだ。深層学習は特に画像認識に強いが、これはロボットが実世界を認識する上で強力な武器となっている。ある意味、ロボットの視力が向上したことになる。AIやロボット技術の現状と、それらを活用している例、そして将来より良い社会にするためのアイデアについて述べる。
13:00〜14:00
画像技術・視覚AIが社会基盤を拓く
〜身辺の等身大の科学技術〜
中京大学名誉教授/(同)YYCソリューション CEO 輿水 大和 氏
OKQT画像デジタル化技術、KK狭隘性エッジ検出技術、万能キズ検出器KIZKI/CNN技術、似顔絵研究など、ディープながら身辺の技術話題を手掛かりにして、画像技術、ロボット・AI技術が拓く近未来の姿、とりわけ産業現場の足元の課題とその先を眺望したい。
1.二つのデジタル化・シャノンとOKQTのインパクト
2.画像エッジ四大原理と“狭隘性エッジ検出KK法”の主張
3.万能キズ検出器KIZKI/CNN機械の主張する新パラダイム
4.非物質科学技術、顔研究の時代的意味
配布資料:OplusE誌(事始め/Vol. 40, No.2・O plus E)
14:00〜15:00
デンソーロボットにおけるAI活用の取組みについて
(株)デンソーウェーブ 執行役員 FA・ロボット事業部長 神谷 孝ニ 氏
労働人口減少に伴う人手不足への対応と工場のグローバル競争力強化に向け、ロボット活用のニーズは高く、新分野(三品、サービス等)への活用拡大も期待されている。しかし現状でのロボットの普及は限定的であり、その阻害要因としてロボットの導入コスト高や活用スキルを有するエンジニア不足を挙げることができる。導入コストはハードウエア以上に調整コストが高く、今後多種変量生産等のより柔軟な生産システムに進化する上で、さらなる調整工数増が懸念される。今回はロボットの調整工数を低減する取り組みとして、AI活用でロボットのプログラミングやティーティング工数を大幅に低減した事例について紹介する。
15:00〜16:00
知能を持ったクルマと人間の共生
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ社会研究所 所長 鈴木 達也 氏
本講演では、まず、車の知能化(自動運転)に関する最近の取り組みを紹介する。次に、人間との共生を見据えた未来の自動車に求められる新たな知能の側面について紹介し、特に「人間中心」的な設計思想をシステム制御工学的視点から実現したいくつかの事例を紹介する。それらを踏まえて今後の自動車が持つべき知能の方向性について概説する。
フロンティア21 エレクトロニクスショー2020
テーマ:5G
5Gのリアルと未来
共催:中部エレクトロニクス振興会
(株)NTTドコモ 執行役員 5Gイノベーション推進室 室長 中村 武宏 氏
5Gの商用化が世界中で進められており、NTTドコモも2019年9月開催のラグビーワールドカップにあわせ、5Gプレサービスを開始しました。商用化に向け、NTTドコモは多くの実証実験を多様な業界のパートナーと進めてきましたが、それらの経験を通じて今後解決すべき課題も見出されています。
本講演では、NTTドコモの5G導入計画や今までの取り組みの概要及び、見出された課題や5Gのさらなる発展について紹介します。
フロンティア21 エレクトロニクスショー2020
テーマ:MaaS
デジタルトランスフォーメーション時代への対応 〜社内にシリコンバレー流をつくる〜
共催:中部エレクトロニクス振興会
(株)デンソー デジタルイノベーション室長 成迫 剛志 氏
IoT、コネクテッドカーなど新たなテクノロジーの台頭で、自動車産業は100年に一度とも言われる大きな変革期を迎え、これまでと異なる企業との競争が起こり始めています。相手はシリコンバレーを中心としたIT企業やスタートアップ。
彼らと互角に戦い、対等に協業していくためには、既存の常識や業務プロセスにとらわれない手法、組織、そして文化を取り入れる必要があります。本講演では、デンソーの取り組みを紹介します。