名古屋レーザ・フォーラム2024
主催:中部レーザ応用技術研究会
開会挨拶
中部レーザ応用技術研究会 会長 沓名 宗春 氏
基調講演1「バッテリー製造におけるレーザ乾燥」
アーヘン工科大学 PEM研究所 バッテリー生産技術グループリーダー Dr.Sebastian Wolf 博士
今日のバッテリー製造においてエネルギーとコストは非常に重要視されている。特に、バッテリー電極乾燥のプロセスは高いエネルギー消費と大きな設備設置面積を特徴としており、これに対してレーザベースの乾燥技術は、電極製造における従来の乾燥プロセスに対する大変有望な工法であり、レーザ照射による直接エネルギー入力により乾燥時間の短縮を図ることが可能である。このレーザ乾燥技術は、省スペース化によるコスト削減や省エネを実現することができる。本講ではこのレーザ乾燥プロセスについて述べていく。
基調講演2「CFRP及び非鉄材料の最新ダイレクト半導体レーザ加工」
レーザライン社 戦略的キーアカウントマネージャー Dr.Martin Weiler 博士
炭素繊維強化ポリマー(CFRP)などの熱可塑性複合材料(TPC)のin-situ自動繊維配置(AFP)の利点はよく知られており、何十年にもわたって産業用途で広く使用されている。ビームホモジナイザー光学系と高出力半導体レーザのユニークな組み合わせにより、繊維強化熱可塑性プラスチックの繊維配置プロセスを、石油・ガス産業向けのCFRPカーボンパイプの製造などですでに実用化され、工業的な大規模生産を可能にした。本講演では、その概要と最新動向について紹介する。
「ワイヤ・レーザDED方式金属3Dプリンタ活用のご紹介」
三菱電機(株) 産業メカトロニクス製作所
レーザシステム部 AMシステム設計課長 木場 亮吾 氏
金属ワイヤをレーザの熱で溶融し三次元構造を高速で造形するワイヤ・レーザDED方式の金属3Dプリンタは、従来の金属粉末を使用した金属3Dプリンタとは異なる特性をもちます。既存部品への部分造形や補修、異なる金属を付加することによる表面改質など、その特性を生かした使われ方が実用化されてきておりますので、造形サンプル例や造形物の機械的特性などを交えながら、ご紹介いたします。
「環境負荷低減に貢献するAdditive Manufacturing」
DMG森精機(株) R&D執行役員 AM部部長 廣野 陽子 氏
Additive Manufacturing(以下、AM)産業は1986年の特許権利化から目覚ましい発展を遂げている。Directed Energy Deposition(以下、DED)方式は切削加工型の工作機械との融合により、1台で、計測、積層造形、修復、仕上げが可能であり、付加価値の高い医療や宇宙産業のみならず、各産業で急速に実用化が進んでいる。AMの中でもDED方式は、コーティング代用や焼入れ代用による工程集約、材料費削減、環境負荷低減など、いま製造業に求められるアイテムが含まれる機械というイメージが世界的に持たれるようになった。量産に必要な機能を有したAM機開発を続けるだけでなく、アプリケーション開発やお客様との工程設計など、AMに関する様々な取り組みから得られた知見を紹介する。
「VCSELによる加熱用レーザの紹介」
トルンプ(株) レーザ事業部営業技術部 レーザ技術グループ 塩見 亮祐 氏
これまで産業用のレーザは、切断や溶接の用途に使用されることが主流であった。今回トルンプが提案するのはVCSELを用いた加熱用のレーザである。これは従来の切断、溶接用途に必要であった集光をなくし、広範囲に対し低い強度のレーザを照射する。これは、炉を用いる加熱アプリケーションの代替として開発された。レーザが照射される場所はプログラム可能であり、必要な部分のみを加熱することができるため、炉と比べ必要なエネルギーは少なくできる。本講演では、VCSELの基本構成・応用方法について説明し、加熱用途として実際に使用されるアプリケーションを紹介する。
「e-Mobility生産技術におけるレーザ接合技術の動向」
(株)デンソー エレクトリフィケーションシステム
モノづくり開発部 担当次長 福西 篤志 氏
電動車両における基幹部品であるPCUやESUなどこれらには不可欠なINVが内蔵されている。近年、各社自動車メーカの加速的な電動車両展開により良質な量の確保及びその生産技術開発の必要性が求められる。中でも配線接続工程は、重大な品質問題を引き起こすリスクがありネジ締結や超音波接合、アーク溶接、更には近年狭小エリアへ空間接合可能なレーザ溶接工法の採用検討が多くなっている。本稿ではINVに用いられるレーザ接合工法などの最新接続技術の動向を説明する。
「BRACEシリーズ新ラインナップとレーザ加工応用事例」
古河電気工業(株) 情報通信ソリューション統括部門 ファイテル製品事業部門主査 行谷 武 氏
近年、普及が加速する電気自動車の動力源である電動アクスルや電池等の製造工程において、生産効率向上に貢献するレーザ加工技術が注目を集めている。古河電気工業と日亜化学工業の共同開発による純国産の高出力高エネルギー密度青色レーザ、それを搭載したBlue-IRハイブリッドレーザBRACEシリーズの新ラインナップを2024年1月に製品化した。青色レーザの出力で2200Wをトップラインに400Wまでのラインナップとなっている。これらの発振器の特徴とレーザ加工応用事例、さらなる高出力化の取り組みについてご紹介する。
「欧米・中国に見るレーザ開発&応用トレンド」
フォトンブレインジャパン 代表 家久 信明 氏
2024年の今日までに開催されたレーザー装置&光学製品に関する世界最大規模の展示会に参加&調査し、@半導体レーザー装置をColdな熱源とした焼成・乾燥用途の急拡大。ADeep UV領域(〜266nm)の超短パルスレーザーの高出力化とその微細加工用途の急拡大。B中国レーザーメーカによる高出力、空冷式ファイバーレーザの開発&普及。C高出力Blue発光半導体レーザー装置の、欧・米・台、日本国内で新商品が相次いで発表。以上の新規に発売された機種を主体に各モデルの仕様や加工用途を調査したので、その結果を報告する。
閉会挨拶
中部レーザ応用技術研究会 副会長 武田 晋 氏
ロボット・AIシンポジウム2024名古屋
「ロボット・AI テクノロジーでソリューション」
主催:ロボット・AIシンポジウム2024名古屋実行委員会
開会挨拶
ロボット・AIシンポジウム実行委員会 特別顧問 名古屋大学 名誉教授 稲垣 康善 氏
基調講演「ロボティクス応用にむけたコンピュータビジョンにおける人・環境の認識」
(国研)産業技術総合研究所 人工知能研究センター
コンピュータビジョン研究チーム長 佐川 立昌 氏
近年、コンピュータビジョン分野では機械学習の発展によって、画像・映像から複雑な事象の認識・理解が可能となってきた。一方で認識・理解の利用方法としてロボット動作生成への応用は大きなフロンティアとして残っている。本講演では、ロボティクス応用において重要となる人・環境の認識の話題を含めて、産総研人工知能研究センターコンピュータビジョン研究チームの研究を中心に紹介する。
「『ロボット×AI』AI活用によるロボットの進化と自動化領域拡大」
(株)エイアイキューブ 代表取締役社長 久保田 由美恵 氏
当社は安川電機の子会社として、ものづくり現場における自動化領域拡大を目指しAI技術を活用している。今まで人手に頼っていた作業の自動化を可能にするためには、ロボットの“作業力”と“判断力”両方の進化が必要である。ロボットにAI技術を適用することによりロボットの判断力が強化され“きれいに並べる”や“美味しそうに盛り付ける”など、人のあいまいな判断を伴う作業の自動化が可能になると考えている。このような取り組みをふまえ、ロボットの過去〜現在、そして当社が考える『ロボット×AI』による今後に向けた展望についてお話しする。
「マルチエージェント社会シミュレーションによるサービス設計」
北海道大学 大学院情報科学研究院 知能ソフトウェア研究室 教授 野田 五十樹 氏
マルチエージェント社会シミュレーション(MASS)とは、小さなAIであるエージェントを多数用意し、相互に影響し合う様を分析することで、人間の社会やサービスの模倣や設計を行う技術である。本講演では、地域交通サービスや自動倉庫、災害対策にこのMASS技術を応用した事例を中心に、この技術の可能性について紹介する。
「経済産業省のロボット政策と業界動向」
近年、AI技術をロボティクスと組み合わせることで、ロボットの性能や使いやすさが補完・強化され、イノベーションが加速化されつつある。本講演では、経済産業省が進めるロボット政策の概観に加えて、ロボット技術とAI技術の融合により期待される社会像等についてお話する。
※オンライン登壇となります。
経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室 室長補佐 板橋 洋平 氏
パネルディスカッション
〔パネリスト〕
(国研)産業技術総合研究所 人工知能研究センター コンピュータビジョン研究チーム長 佐川 立昌 氏
(株)エイアイキューブ 代表取締役社長 久保田 由美恵 氏
名古屋工業大学 名誉教授 伊藤 英則 氏
〔ファシリテータ〕
中日BIZナビ 編集長 大森 準 氏
NO.4
会場:吹上ホール内脱炭素社会を考えるひろば
脱炭素社会を考えるひろば
「カーボンニュートラルと支援策 〜支援策の選び方〜」
(独)中小企業基盤整備機構 中部本部 中小企業アドバイザー 真野 卓也 氏
中小企業がカーボンニュートラルへの取り組みを経営に取り込み効果的に進めて行くには、公的な支援策を上手く活用していくことも重要です。本セミナーでは、カーボンニュートラルを推進していく上で、具体的な支援策についてご紹介するともに、どのような視点で各支援策を選ぶとよいかについてお話します。現時点では早急な取り組みが必要ない業種であっても、将来は必ず課題となるものですので、公的な支援策を活用し、新たなビジネスチャンスにつなげる上での参考となる情報をご提供いたします。
NO.5
会場:吹上ホール内脱炭素社会を考えるひろば
脱炭素社会を考えるひろば
「中部電力が取り組む中小企業のお客さま向け脱炭素技術の開発について」
中部電力(株) 先端技術応用研究所 副所長 古川 美喜男 氏
中部電力先端技術応用研究所にて現在取り組んでいる脱炭素に資する中小企業のお客さま向けの具体的な開発品や今後の開発品についてご紹介いたします。
1 先端技術応用研究所について
2 脱炭素に資する中小企業のお客さま向け開発品について
3 今後の開発品について
NO.6
会場:吹上ホール内脱炭素社会を考えるひろば
脱炭素社会を考えるひろば
中小企業のロボット化が進まない理由(ワケ)
パネルディスカッション
ロボットシステムインテグレータは地域の発明家、カスタムマシンはベストセラーにもなる。もはや座学とは言わせない、デジタルで学習・習得するロボットティーチング技術。顧客現場を『丸ごと』スキャニング。仕様・見積、顧客打ち合わせもデジタルツイン。ロボットシステムインテグレータの Simulation は ここまで来てる。ロボットシステムインテグレータは ロボットだけじゃない、スーパーインテグレーター。手も、眼も、移動も、もちろん デジタル化だって、仕事してます。
〔パネリスト〕
東京大学 名誉教授 佐藤 知正 氏
(株)豊電子工業 常務執行役員 成瀬 雅輝 氏
スターテクノ(株) 常務取締役 瀬川 裕史 氏
(株)近藤製作所 取締役部長 橋本 和樹 氏
〔講師 兼 ファシリテータ〕
三明機工(株) 代表取締役社長、(一社)日本ロボットシステムインテグレータ協会 会長 久保田 和雄 氏